お薬には、薬剤メーカーがその薬を最大限の効果を発揮するように服用回数を決定しています。ですから、病気を早く治すためには服用回数を勝手に変えない方がよいでしょう。しかし、幼稚園、保育園などに通園していると、お昼のお薬がのませにくいことがよくありますね。もし朝晩ご希望であれば、主治医にそのことをお伝えください。そうすれば、可能な範囲で対応してくれます。
とくに、抗生剤の場合、3回服用する薬を2回で服用していると、効果が少ないばかりか「耐性菌」という社会問題にもなっている薬の効かない細菌の増殖を招いてしまいまうので注意が必要です。
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夜中に小さなこどもさんが、痛がって泣いている姿をまのあたりにするのは親として大変切ないことです。年齢にもよりますが、たいていの場合急性中耳炎をおこしています。夜間救急で耳鼻科医に診察をしてもらうのがよいでしょうが、実際耳鼻科医の当直はなかなかありません。このような場合、解熱鎮痛剤(アセトアミノフェン、商品名:カロナール、ピリナジン、小児用バファリンなど)を服用し一晩痛みを抑えてあげ、翌朝耳鼻科に受診していただければ問題はありません。
中耳炎というと、痛い、熱が出るというイメージがありますが、中耳炎にも種類があります。耳痛、発熱があるのは「急性(化膿性)中耳炎」といわれるものです。そのほかの中耳炎で小さなこどもさんに多いのが「滲出性中耳炎」です。症状は、難聴です。こどもの場合、痛い場合はアピールがありますが、難聴になっても、「聴こえない」ということはまずいいません。お母さんが、「最近、返事をしなくなった。」「テレビのボリュームが大きくなった。」「テレビを近くで見るようになった。」などで気づかれることが多い病気です。放置すると将来慢性中耳炎になり聴力低下が治らなくなってしまうことがあるのでしっかりと治療をうけてください。
小児の滲出性中耳炎の遷延因子として、お子さんの体質、鼻疾患の有無、年齢などの要因があります。その状態により、なかなか治らずに、継続的に治療が必要になります。なぜなら、放置しておくと難聴が進行してしまうからです。育ち盛りの子どもさんが難聴になってしまうと、発達にも影響を及ぼします。保存治療で良くならない場合は、ステップアップ治療として、鼓膜切開、鼓膜チューブ留置術を行います。 一概には言えませんが、1月~3ヶ月くらいの治療期間を要するのが一般的でしょう。
きれい好きのお母さんが、毎日耳掃除をして耳垢を耳の奥にグイグイと押し込んでとれなくなってしまう、こんなことがよくあります。耳垢というのは自然に外に外に移動してきます。なので、見える入り口付近だけきれいにしてあげてれば大丈夫です。毎日やらなくてOKですよ。
幼児の滲出性中耳炎に対するポリッツゥェル耳管通気治療です。
夜中に咳き込んでいるこどもの姿は本当につらそうなものです。咳には、「湿性の咳」と「乾性の咳」があります。簡単にいうと、痰がからんでゼロゼロしたのが湿性、痰がからむというより、コンコンというのが乾性です。前者については、多くの場合に後鼻漏といって粘張な鼻漏がのどに落ち込んで、そのために咳反射がおこっています。つまり、鼻漏の原因の治療(副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎など)を行うと早く治ります。治療法は、内服薬も使用しますが、鼻の治療、ネブライザーがとても大切です。 乾性の咳は、下気道の病気(喘息など)、咽喉頭炎の治りかけに多くなります。
湿性の咳が続く場合は、耳鼻科で一度診察を受けてください。
インフルエンザワクチンのメカニズムは、接種によりインフルエンザウィルスに対する抗体を前もってたくさん作っておくものです。体の中でウィルスと抗体が戦うわけですが、とくにこどもの場合、元々の抗体が少ないこともあり、ウィルスの勢いが勝ってしまうことがあります。そのような場合に予防接種をしていても症状が出てしまいます。ただ、かかったとしても軽くてすむことも多く、小児に多く致死的な「インフルエンザ脳炎」を予防する効果が認められてますので、無駄というわけではありません。以前、インフルエンザ予防注射は強制接種でしたが、その当時は今に比べると発症患者数が少なかったという事実もあります。みんなで予防接種をすることで、集団予防効果があがることも重要なことです。
トピックスとして鼻に噴霧するワクチンが開発されつつあります。このワクチンは、ウィルスが体内に入らないように働くので、入ってきたウィルスをやっつける今のワクチンより有効性が高いと期待されています。